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執筆: 司法書士 相澤 剛 更新
クレジットカードのキャッシングは過払い金の返金対象!
ショッピングリボは過払い金返金の対象ではありません!
過払い金が発生するカードはアコム・プロミス・レイクなどの消費者金融だけでなく、エポス・セゾン・ニコスなどのクレジットカードのキャッシングも対象になるケースがあります。 なお、クレジットカードのショッピングリボ部分に関しては、以前から利息が低く、過払い金の返金対象にはなりません。
クレジットカードの過払い金を請求する場合は、キャッシング専用の消費者金融カードと違い、ショッピング利用分の取り扱いなど注意点があります。以下では、代表的なクレジットカードで過払い金の発生が見込まれる可能性がある会社と請求する際の注意点を説明していますので参照してください。
【番外編】クレジットカード用の奥義
過払い金問題が浮上した2006年~2007年あたりから、クレジットカード各社ともに法定内の利息(法律で許可されている上限利息)契約に切り替えたため、2007年以降の取引に関しては、原則過払い金は発生しません。
大手業者であれば請求先がはっきりしているため交渉の余地があるが、マイナーな業者だと現在倒産している可能性もあり、請求先がはっきりしていないと請求する余地がない。
注意!
過払い金の請求ができる取引は、キャッシング部分であり、ショッピングリボに関しては金利が低いため、過払い金は発生しません。
また、過払い金を請求する場合、キャッシング部分のみ請求することはできないので、ショッピング利用分が残っている場合はご注意ください。
2023年現在、クレジットカードで過払い金の請求件数が一番多い業者といってよいのがエポスカード(旧丸井・マルイ)です。
エポスカードで2007年以前にキャッシングをしていた場合は過払い金発生の可能性が高いです。エポスカードの当時の利息は27%の方が多いです。
※なお、マルイ系列のゼロファースト(エポスと合併予定)も過払い対象です。
セゾンカードで2007年以前にキャッシングをしていた場合は過払い金発生の可能性が高いです。セゾンの当時の利息は24%~29%前後の方が多いです。
オリコカードで2007年以前にキャッシングをしていた場合は過払い金発生の可能性が高いです。
ニコス(旧日本信販など)で2007年以前にキャッシングをしていた場合は過払い金発生の可能性が高いです。ニコスの当時の利息は19%~29%前後の方が多いです。
※なお、ニコスは合併の影響により、複数のニコスカードを利用している方が多く、その場合はすべてのカードが手続きの対象になりますのでご注意ください。
セディナで2007年以前にキャッシングをしていた場合は過払い金発生の可能性が高いです。セディナで代表的なOMCカードの当時の利息は28%前後の方が多いです。
※なお、セディナは「旧OMC」「旧セントラルファイナンス」「旧クオーク」が合併して誕生した会社で、手続きをする場合はすべてのカードが対象となり、一部のカードのみの手続きはできないので注意が必要です。
イオンカードで2007年以前にキャッシングをしていた場合は過払い金発生の可能性が高いです。イオンの当時の利息は29%前後の方が多いです。
ニッセンマジカルカードで2007年以前にキャッシングをしていた場合は過払い金発生の可能性が高いです。ニッセンの当時の利息は29%前後の方が多いです。
アプラスカードで2007年以前にキャッシングをしていた場合は過払い金発生の可能性が高いです。アプラスの当時の利息は21%~29%前後の方が多いです。
※なお、キャッシング専用のアプラスパーソナルローンも過払いの対象です。
キャッシングの過払い金のみ返還してくれるわけではないため、ショッピング利用分を完済した状態を確認してください。仮にショッピング利用分が残った状態で手続きすると過払い金請求ではなく、債務整理扱いとなるケースもありますのでご注意ください。
事前に引き落とし先の変更をお願いします。変更をしていないと売り上げが確定するまで、業者との和解交渉が進められませんのでご確認ください。
合併などの影響により、例えばニコスで複数のカードを利用しているケースですと、原則すべてのカードが手続きの対象となります。1枚だけ手続きなど分離してはできませんので、事前にご確認ください。
手続きする際の注意点
クレジットカードの過払い金請求は、キャッシング専用カードが中心の消費者金融業者と違い、ショッピング枠(visaなど)がある影響で、手続きする際には注意が必要です。
オリコやアプラスなどで、目的ローン(車のローンなど)を別途契約しているケースなどにも注意が必要です。
過払い金請求をすることにより、原則利用していたカードは解約扱いとなりますので、今後同じカードの使用が出来なくなります。
※なお、請求した業者に新たにカードを申し込んで再審査の上再発行されるケースはあるようです。
マネー社会の優等生・クレジットカード。
居酒屋やデパート、はたまた航空会社の窓口にて、サッと取り出しピッと差し込んで支払い完了、さっそうとレジカウンターをあとにできるこのアイテムは、社会人のステータス・シンボルといってもいい。
そんなクレジットカードも、以前は消費者金融と同じく高金利が当たり前、当時エポスやセゾン、オリコを利用していたユーザーは過バライ金の対象でござる。
クレジットカードの過バライ金請求の体験者は分かるかもしれないが、消費者金融のカードと比べ、ちょっと複雑でややこしい。
その原因は、同じカードに「ショッピング枠」と「キャッシング枠」が組み込まれていることにある。
基本、どのクレジットカードにもキャッシング枠が付いてくることが多い。
ショッピング枠はいわば「家」で、キャッシング枠はその家のなかにある「部屋」といえば分かりやすいだろうか。
クレジットカードを持っている人は、両方の借入枠を使って借金している人が多い。
だから、過バライ金請求時ではどちらの残高状態も確認する必要があるのだ。
拙者のコンテンツで幾度となく説明したとおり、過バライ金請求の対象はキャッシングのみ。
だから、「ショッピング枠は関係ないでしょ? キャッシング枠さえ返済終わっていたら完済扱いじゃないの?」と思われるだろうが、その認識は間違いでござる。
過バライ金請求したクレジットカードは、そのまま解約手続きに入る。
解約となる以上、ショッピング枠もキャッシング枠もきれいさっぱり残高0にしたほうが後々面倒にならない。
残高ありでの過バライ金請求もできなくはないのだが、戻ってきたお金で残りの借金がゼロにならなければ、任意整理扱いとなってしまう。
となればあとは信用情報機関に事故情報として登録(ブラックリスト)、その後ローン、クレジットの利用ができなくなるというお決まりのコースでござる。
ひとつのカードにふたつの借入枠が同居するクレジットカードでは、過バライ金請求の前に残高状態の確認を怠ってはならない。
なぜ、クレジットカードにはショッピング枠とキャッシング枠というふたつの借入枠があるのか?
それは、この両者が非常に相性がよいからでござる。
「今月はクレジットで買い物、いっぱいしちゃったな、古い家電製品も取り換えたし、新しいパソコンも買ったし、これからはじまる新生活にウキウキ・・・あっ! 今月末友達の結婚式に呼ばれていたんだった! どうしよう、お祝儀包みたくてもお金ないし・・・」
そこへクレジットカードの営業マン登場。
「大丈夫ですお客さま、クレジットカードのキャッシング枠を使えば、そんなピンチは何でもありません。現在お客さまのショッピング残高は20万円。このカードでは10万円までキャッシュで借入が可能、お祝儀にスーツ代、交通費、何なら二次会の飲み代に使ってもOK。これで思う存分、お友達の結婚式をお祝いできるじゃないですか」
「何て便利なクレジットカード! 持っててよかった!」
こんな調子で、いつのまにかキャッシング利用していた人は多いはず。
キャッシングもショッピングも、どちらも「お金を借りる」ことに変わりはない。
だからどちらか一方の借入枠を利用したら、もう片方の借入枠からお金を使うことも抵抗ないわけでござる。
先ほども説明したとおり、ショッピング枠という家のなかには、キャッシング部屋なる魅惑のお部屋があり、いつでも扉を開けて待ってくれている。
ショッピングすればキャッシングも使いやすい仕組みだから、「いつのまにかクレジット地獄に・・・」なんてことも起こるのでござる。
反対に、クレジットカードのキャッシング利用から、ショッピングにはまるケースもある。
その入口は、「リボ払い」だ。
リボ払いを利用するとなかなか完済までたどり着かないため、過バライ金請求する人は注意してほしい。
ここで、リボ払いについて詳しく触れておこう。
クレジットカードの支払いは、大きく「一括払い」と「リボ払い」に分かれる。
一括払いはその名のとおり、購入した洋服やバッグの支払いを一括で済ませること。
1回払いで済むため、金利手数料などはかからず、負担も少ない支払い方法といえる。
対してリボ払いは、月々の支払い額を指定して返済する方法。
毎月の返済額は一定だが、返済期限は決められていない。
最初一括払いで契約しても、都合によりリボ払いに変更できるため、「あとからリボ」とも呼ばれる。
クレジットカード会社がリボ払いを推奨するのはいいが、ユーザー側からみても便利な面があり、つい利用してしまう人があとを絶たない。
「お気に入りのバッグ、10万円もしたけど思い切って買っちゃった。でも大丈夫、来月にはボーナスが入るし・・・ガーン、来月、勝負の合コンがあったのだ・・・面子は医者の卵に弁護士、エリート官僚、何これぜったい外せない! ああ、こんなんだったら一括払いなんかしなければよかった・・・」
例のごとくクレカの営業マンが現れて。
「お客さま、『あとからリボ』をご利用になられてはいかがでしょうか? このサービスではあとから分割払いに切り替えることが可能。しかもポイントまで付いてお得です。お支払いは10回でも20回でも構いません。ボーナスが入ったらそこで繰り上げ返済もできますよ」
「あとからリボ、なんてサイコーなの」
サイコーなわけがない、3回目以降の返済は元金の10%~15%の利息が付くから、ほとんどキャッシングするのと変わらないのだ。
たとえば10万円の10回払いで返すとなれば、合計11万円となり、利息分の1万円を余分に支払うことになる。
何が言いたいかといったら、キャッシングをする人はリボ払いに抵抗を感じず、簡単に利用する傾向にある、ということでござる。
つまり、クレジットカードのキャッシングユーザーは、ショッピングリボを利用してもおかしくはなく、それが過バライ金請求で障害の一因となりやすいのだ。
しかも、今月買い物の支払いなどは翌々月に上がってくるものだから、カードを解約できず、手続きを進めたくても進めない。
3ヶ月たっても請求が上がってこなければ、支払いが終了したとみていいだろう。
クレジットカードの過バライ金請求では、現在の利用状況や支払い状況をしっかり確認することが重要でござる。
クレジットカードのもうひとつの特徴は、ネットサービスや公共料金など、各種支払いに利用できる点だ。
携帯電話や電気・ガス・水道の料金、映画視聴やECサイト利用の代金支払いをクレジットカードで済ませている人は多いだろう。
そして、その支払いが残っているがゆえに、過バライ金請求の手続きが前に進まず頭を抱えたことがある方も多いのではござらぬか?
たとえ定額300円程度のサービスでも、支払いが完了しなければカードの解約はできず、業者との交渉にも入れない。
そのため、請求手続きに入る前にサービスの解約をおすすめする。
ネットサービスの利用をストップし、支払いも済ませたうえでの請求なら、過バライ金交渉に支障はない。
公共料金の支払いは、別のカードか口座振替などの方法への切り替えで対処するしかない。
なお、ネット代金の引き落としはカード会社に問い合わせたところで詳細の確認は不可能。
サービス業者に問い合わせたくても、電話窓口がないケースが多く、メールで確認する場合は回答が寄せられるまで時間がかかり、もどかしいと感じるだろう。
こんな面倒がつきまとうのがクレジット過バライ金請求でござる。
事務所に依頼する前に、きちんと清算していつでも解約できる状態にしておくことをおすすめする。
ちなみに、過バライ金請求はカード解約後でもできるから、解約を済ませてから手続きに入るのも手でござる。