銀行カードローンは過払い金の対象外。債務整理はできる

銀行では過払い金は発生しない

過払い金は利息制限法の利息を超えた金利で取引をしていた場合に発生します。

利息制限法より高い利息をグレーゾーン金利と言いますが、消費者金融やクレジットカード会社では、以前はグレーゾーン金利での取引が横行していました。

しかし、2006年の裁判でほぼグレーゾーン金利での取引が無効になったため、グレーゾーン金利での取引があった人には過払い金が発生することになりました。

ただ、銀行は昔からグレーゾーン金利で取引を行うことはなかったため、銀行との取引では過払い金が発生することはありません。

過払い金の対象になる会社

過払い金の対象となる会社は、主に以下のような金融機関です。

消費者金融やクレジットカード会社で、2007年以前からキャッシングの取引があると過払い金が発生している可能性あり

消費者金融やクレジットカード会社で取引があっても、必ず過払い金が発生するわけではありません。

消費者金融やクレジットカード会社が、過去に取り扱ったカードローンやキャッシングにおいて、グレーゾーン金利だった場合に、過払い金が発生します。

2006年の裁判を受けて、ほとんどの会社が2007年頃にグレーゾーン金利の見直しをしているので、2008年以降の借入れでは過払い金が発生しない可能性が高くなります。

また、過払い金はキャッシングだけが対象になるので、ショッピングの取引ではどんなに古い取引であっても過払い金は発生しません。

過払い金が発生しているかどうかは、個々の契約内容によって異なりますので、詳細な確認が必要です。過払い金が発生している場合は、返還請求を行うことができるので、詳細については弁護士や司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

銀行系のクレジットカードは対象になる可能性がある

2007年以前から銀行系のクレジットカード会社でキャッシングの取引があると過払い金が発生している可能性あり

銀行系のクレジットカードとは、銀行のグループ会社等が発行しているカードで、ちばぎんDCカードや三井住友カードがあります。

銀行系のクレジットカードは銀行ではなく、クレジットカード会社が発行するカードのため銀行系のクレジットカードでは過払い金が発生する可能性があります。

ただし、銀行系のクレジットカードは、2007年頃にグレーゾーン金利を見直しているので、2008年以降に借入れを開始した場合は、過払金は発生しません。

銀行も債務整理をすることはできる

債務整理とは、借金の返済が困難な状況に陥った場合に、利息を免除してもらったり、借金を減額してもらったり、借金の返済自体を免除してもらう手続きのことを指します。

過払い金と債務整理は異なる手続きなので、過払い金が発生しない銀行や信用金庫の借入れでも債務整理をすることができます。

債務整理には、下記3つの方法があります。

任意整理

弁護士や司法書士が代理人になり、債権者と話し合いを行い、利息を免除してもらい返済計画を立てる手続きです。

個人再生

裁判所の手続きにより、借金を減額してもらい返済計画を立てる手続きです。

自己破産

全ての借金の返済義務を免除してもらい清算する手続きです。

債務整理を行うことで、返済の負担を軽くすることができます。
しかし、過払い金請求と違って債務整理をすることで、信用情報に悪影響がでる（ブラックリストに登録される）ため、住宅ローン等の将来的な借入が制限されるデメリットがある点には注意が必要です。

ブラックリストに登録されても、借り入れやローン、クレジットカードを利用せず、収入の範囲内で生活を行う分には支障はありません。

そのため、毎月の返済が難しくなってきたら債務整理を行うことをおすすめします。

相澤法務事務所では1社あたり19,800円の費用で任意整理をお受けしております。

• 任意整理とは？できないケースも？メリット・デメリットを解説

まとめ

過払い金は消費者金融やクレジットカード会社のみが対象になるため、銀行では過払い金は発生しません。
銀行の返済ができなくなって来たら、債務整理を行うことで返済負担を軽くすることが可能です。

ただし、過払い金請求と異なり、債務整理をするとブラックリストに登録されることになります。
そのため、ブラックリストに登録される不利益と、債務整理を行う利益を比較考慮する必要があります。